ニュース・プレスリリース 物流用語

「M」の物流用語

MRP

【読み方】えむあーるぴー

【英 語】Material Requirements Planning

MRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)とは、製品の生産計画に基づき、必要な原材料や部品の「品目」「数量」「調達時期」を逆算して、最適な生産・発注計画を策定する管理手法およびシステムのことです。

MRPは、製品の部品構成表(BOM)、在庫データ、および調達や製造にかかるリードタイムを基に、コンピュータ上で必要な資材量を自動計算します。必要なものを必要なタイミングで過不足なく手配することで、在庫の最小化と生産効率の向上を両立できる点が最大のメリットです。実際の需要に応じて後行程から補充を促す「かんばん方式(プル型)」とは異なり、計画に基づいて先行的に手配をかける「プッシュ型」に分類されます。一方で、急な需要変動や計画変更への即時対応が難しいというデメリットもあり、この課題を解決するために、設備や人員などの製造資源まで管理対象を広げた「MRP2(製造資源計画)」や、企業全体の資源を統合管理する「ERP」へと進化を遂げました。

物流におけるドライバー不足や働き方改革への対応に伴う輸送力不足の深刻化や、脱炭素・グリーンロジスティクスへの対応から、MRPはさらなる高度化を遂げています。AIやIoT、クラウドとの連携により、サプライチェーン全体のリアルタイムな在庫状況や物流遅延リスクを織り込んだ自動計画修正が可能となりました。これにより、調達・物流の効率化と二酸化炭素排出量の削減、そして予測困難な市場変動への強靭な対応力を実現しています。

MRP2

【読み方】えむあーるぴーつー

【英 語】Manufacturing Resource Planning

MRP2(製造資源計画)とは、従来の資材管理(MRP)を拡張し、人員、設備、資金などの製造資源全体を一元的に計画・管理する手法です。生産計画と実績の差異をフィードバックし、常に最適な再計画を行う仕組みを指します。

MRP2は、必要な資材の量と時期を計算する「MRP」に、工場の生産能力、販売計画、購買管理、さらには財務管理などを統合したシステムです。メリットは、製造現場の実行状況と経営計画が連動するため、過不足のない生産体制の構築やキャッシュフローの最適化、リードタイムの短縮が可能になる点です。また、計画と実績の差異を迅速にフィードバックし、再計画を回せる強みがあります。一方で、導入には高度なマスターデータの整備やリアルタイムな運用が求められ、部門間連携が不足するとシステムが形骸化しやすいというデメリットもあります。この概念は、現在のERP(企業資源計画)へと発展する基礎となりました。

ドライバー不足や働き方改革への対応、グリーンロジスティクスによる脱炭素化の要請から、MRP2の思想は「物流リソース」まで内包した計画へと進化しています。AIやIoTといったDX技術を活用し、工場の生産負荷だけでなく、倉庫の荷役能力や配送ルートの空き状況までリアルタイムに連携させ、サプライチェーン全体で無駄のない持続可能な資源配分を実現しています。

「N」の物流用語

NACCS

【読み方】なっくす

【英 語】Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System

NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)とは、入出港する船舶・航空機や輸出入貨物の税関手続、および関連する民間業務をオンラインで一元的に処理する、日本の国際物流を支える基幹プラットフォームです。

かつて個別稼働していた航空(Air)と海上(Sea)のシステム、さらに港湾EDIやJETRASなどの関係省庁システムを統合し、官民共同の総合プラットフォームとして進化を遂げました。税関や関係官庁への申請から、通関業者、海貨業者、船社、航空会社、保税蔵置場などの民間事業者間のデータ連携までをシームレスに行えるのが最大の特徴です。これにより、ペーパーレス化や通関手続きの大幅な時間短縮、二重入力の排除といった業務効率化を実現しました。一方で、国際物流の要であるため、システム障害発生時には港湾・空港の物流が一時的にマヒするリスクも内包しており、高い安定性と強固なセキュリティ対策が常に求められます。

稼動を開始した第7次システムにより、外部の物流システムとのAPI連携やAIを活用した入力支援などのDXがさらに加速しています。ドライバー不足や働き方改革への対応に起因するドレージ輸送の効率化に向け、港湾手続きの高速化によるトラック待機時間の削減に貢献しています。また、完全ペーパーレス化の促進は、国際輸送におけるCO2排出削減やグリーンロジスティクスの推進にも直結しています。

NOx・PM法

【読み方】のっくすぴーえむほう

【英 語】NOx PM Control law

NOx・PM法とは、大都市圏などの特定地域において、自動車から排出される窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)を削減するための法律です。排出基準を満たさない車両の登録や車検継続を認めない「車種規制」を定めています。

本法は、首都圏や近畿圏、愛知・三重県などの「対策地域」を指定し、そこを運行・登録するトラックやバス、ディーゼル乗用車等に厳しい排出基準を課しています。基準に適合しない車両は猶予期間を過ぎると車検が通らなくなるため、物流事業者には低公害車への代替や排ガス減少装置の装着が義務付けられました。これにより、大都市圏の大気汚染は劇的に改善されました。一方で、事業者にとっては車両の買い替えや維持コストが発生するという財務的負荷もありましたが、クリーンな物流網を構築する上での強力な推進力となりました。なお、ガソリン乗用車や軽自動車、フォークリフトなどの一部特殊自動車は原則として規制の対象外です。

物流業界は労働力不足への対応に加え、強力な脱炭素(GX)の波に直面しています。かつてのNOx・PM法がディーゼル車のクリーン化を促したように、現在はEVトラックや燃料電池車(FCV)への移行、およびAIを用いたルート最適化や共同配送などのDXを通じた排ガス削減が進んでいます。本法は、今日のグリーンロジスティクスにおける環境対策の強固な基盤となっています。

Nox法

【読み方】のっくすほう

【英 語】Nox law

「NOx法」(正式名称:自動車NOx・PM法)とは、大都市圏における自動車の排気ガスによる大気汚染を防ぐため、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の排出基準を満たさない車両の登録・使用を規制する法律です。

1992年制定の「自動車NOx法」を前身とし、2001年の法改正によって粒子状物質(PM)が規制対象に加わりました。首都圏、愛知・三重、大阪・兵庫などの特定地域において、排出基準をクリアしていないトラック、バス、ディーゼル乗用車等の使用や登録を制限する「車種規制」が主軸となっています。また、対象地域内で一定台数以上の車両を保有する特定事業者には、排出抑制のための自動車使用管理計画の提出が義務付けられています。本法は大都市圏の大気環境改善に大きく貢献した一方、事業者にとっては排ガス基準適合車への代替(買い替え)に伴う多額の車両投資や、非適合車両の進入制限に伴う配車・運用上の制約といった負担が生じました。

物流業界はドライバー不足や働き方改革への対応に伴う深刻なリソース不足と、中長期的なカーボンニュートラルの実現という二大課題に直面しています。この中で自動車NOx・PM法への対応は、EV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)といったゼロエミッション車へのシフト、さらにはAIを活用した配車管理システム(TMS)による運行効率化や共同配送の推進といった「物流DXによる総走行距離の削減」と不可分になっています。環境規制への適合は単なる法令遵守にとどまらず、グリーンロジスティクスを推進し、持続可能な輸送体制を維持するための経営戦略そのものとなっています。

NVOCC

【読み方】えぬ・ヴぃ・おー・しー・しー

【英 語】Non-Vessel Operating Common Carrier

NVOCC(非船舶運航一般運送人)とは、自ら船舶を保有・運航せず、実運送人である船会社の輸送スペースを利用して独自の国際輸送サービスを提供する事業者のことです。荷主に対して一貫した運送責任を負う「利用運送業者」を指します。

日本におけるNVOCCは、通関業者や総合物流企業がその役割を担うことが多く、制度上は第二種貨物利用運送事業に該当します。最大のメリットは、複数の船会社から最適な航路や運賃を組み合わせ、荷主のニーズに合わせた柔軟な混載輸送(LCL)や一貫輸送を提案できる点です。さらに、通関手続きや陸上輸送といった周辺業務も一括して委託できるため、荷主の業務効率化に貢献します。一方で、実際の運行管理は船会社に依存するため、海上での遅延やスペース不足といったトラブル発生時の直接的なコントロールが難しい側面もあります。それでも、荷主に対して独自のハウスB/L(船荷証券)を発行し、元請けとして輸送完遂の責任を持つ重要な存在です。

NVOCCはデジタルプラットフォームを駆使し、運賃見積もりやコンテナ追跡を即時化する「デジタルフォワーダー」への進化を遂げています。ドライバー不足や働き方改革への対応に伴う国内の陸上輸送力不足に対しては、港湾からのドレージ(コンテナ陸上輸送)最適化や共同配送のコーディネーターとして機能しています。また、Scope3に対応した輸送時のCO2排出量の可視化や、エコ船舶の優先手配など、グリーンロジスティクスを主導する役割としても存在感を高めています。

「O」の物流用語

OCR

【読み方】おーしーあーる

【英 語】Optical Character Recognition

OCR(光学文字認識)とは、紙に書かれた文字を画像として読み取り、コンピューターで編集可能なデジタルテキストに変換する技術です。物流現場のアナログ情報をデジタル化し、ペーパーレス化を推進する基盤技術として欠かせない存在となっています。

仕組みとしては、スキャナーやモバイル端末のカメラで読み取った画像から文字の特徴を抽出し、テキストデータへと変換します。手動でのデータ入力作業が不要になるため、入力ミスの防止や、作業時間の劇的な削減、人件費の抑制に直結する点が大きなメリットです。一方で、かつては手書き文字のクセやかすれ、非定型デザインの書類に対する認識率の低さが課題でした。しかし現在では、ディープラーニングを用いた「AI-OCR」の進化により、多様なフォーマットや崩れた手書き文字でも極めて高い精度で自動判別・データ化が可能となり、実用性が飛躍的に向上しています。

物流におけるドライバー不足や働き方改革に伴う深刻な労働力不足への対応やDX推進において、AI-OCRとRPA(業務自動化ソフト)を連携させた「事務作業の完全自動化」は標準的な手法となっています。また、改正電子帳簿保存法への対応や、環境負荷を低減する「グリーンロジスティクス」の観点からも紙帳票の削減は急務です。OCRは、紙文化の残る物流現場と最先端のデジタル社会をシームレスに繋ぐ重要な架け橋となっています。

OFFJT

【読み方】おふじぇーてぃー

【英 語】Off the Job Training

OFFJT(Off the Job Training、職場外研修)とは、日常の通常業務から一時的に離れ、専門の研修施設やeラーニングなどを通じて体系的に学ぶ教育訓練のことです。実務を通じて学ぶOJTと相互に補完し合うことで、従業員の能力開発を効果的に促進します。

OFFJTは、実務だけではカバーしきれない理論や専門知識、コンプライアンス、安全ルールなどを効率的に学ぶ役割を持ちます。メリットは、現場の忙しさや指導者のスキルに左右されず、統一された質の高いカリキュラムを全社に提供できる点です。また、受講者が日常業務のプレッシャーから離れて学習に専念できます。一方で、一時的な現場の要員不足や研修コストが発生すること、さらに研修で得た知識を実際の現場で再現するためには、その後の丁寧なOJTによるフォローが欠かせないという課題もあります。

労働規制の強化に伴う生産性向上や深刻な人手不足、物流DX・自動化への対応に向けてOFFJTの重要性がさらに増しています。VR(仮想現実)を用いた危険予知訓練や、自動化設備・配車システムの高度な操作研修など、最新テクノロジーを学ぶ場として機能しています。また、タイトな運行・作業スケジュールの中で効率的に学習を完結させるため、オンラインやスマートフォンを活用したマイクロラーニング型のスマートなOFFJTが主流となっています。

OJT

【読み方】おーじぇーてぃー

【英 語】On the Job Training

OJT(On the Job Training)とは、実際の職務現場で先輩や上司が指導役となり、実務を通じて知識や技術を習得させる教育研修手法です。物流現場のオペレーションや業務ノウハウを効率的に継承する手法として広く定着しています。

物流業界におけるOJTは、倉庫内のピッキングやフォークリフト操作、配送ルートの習得まで多岐にわたる業務で行われます。メリットは、座学だけでは伝わりにくい現場ごとのルールや効率的な動き方を実践的に学べ、即戦力化を図れる点にあります。一方で、指導を行う先輩社員のスキルや相性によって教育品質にバラつきが生じることや、指導担当者の業務負担が増加する点がデメリットです。また、未熟な状態での実務作業は事故や誤配送などのリスクを伴うため、チェックリストの活用や段階的なサポート体制の構築など、安全に配慮した計画的な運用が欠かせません。

働き方改革への対応に伴う深刻な人手不足と労働時間管理の徹底に伴い、OJTの「短時間化と標準化」が急務となっています。最新の現場では、VR(仮想現実)を用いた荷役シミュレーションや、スマートグラスを活用した遠隔からのリアルタイム指示など、DX技術を掛け合わせたOJTが普及しています。これにより、指導側の負担を最小限に抑えつつ、作業品質の平準化と早期の戦力化を両立するスマートな教育体制へと進化しています。

OMR

【読み方】おーえむあーる

【英 語】Optical Mark Reader

OMR(Optical Mark Reader:光学式マーク読み取り装置)とは、紙に記入された特定のマークに光を照射し、その反射率の違いからマークの有無を検出して自動でデータ化する技術です。

物流現場においては、棚卸表やピッキング指示書、配送実績のチェックシートなどに広く用いられてきました。キーボード入力を介さずに大量 of データを高速かつ正確にシステムへ登録できるため、作業効率の大幅な向上や入力ミスの防止といったメリットがあります。一方で、専用の用紙や筆記用具を必要とする点や、用紙の折れ曲がり、汚れ、不適切なマーク記入による読み取りエラーが発生しやすいというデメリットもあります。エラー発生時には手動での修正作業が必要となるため、運用面の管理負担になる側面もありました。

物流DXや脱炭素(ペーパーレス化)の推進により、紙媒体を前提とするOMRの活用は減少しています。現在はタブレットでのデジタル入力や、AI-OCRによる手書き文字の自動認識、RFIDへの移行が主流です。OMRは自動認識の先駆者として貢献しましたが、ドライバー不足や働き方改革への対応やリアルタイムな情報共有を両立するため、より高度なデジタルシステムへの代替が進んでいます。