ニュース・プレスリリース 物流用語

「G」の物流用語

GPS

【読み方】じーぴーえす

【英 語】Global Positioning System

GPS(全地球測位システム)とは、複数の人工衛星からの電波を受信し、現在地や移動速度、時刻を正確に測定するシステムです。現代の物流においては、車両や荷物のリアルタイムな位置情報を正確に把握するための不可欠な基盤技術となっています。

GPSは、宇宙空間にある複数の衛星からの信号を受信機がキャッチし、その時間差から現在位置を計算する仕組みです。物流においては、車載器やスマートフォンのGPS機能を用いた「動態管理システム」として広く活用されています。導入により、運行管理者が各車両の現在地や運行状況をリアルタイムに把握でき、急な配送依頼やトラブルにも迅速に対応できるメリットがあります。一方、高層ビル群やトンネル、山間部などの電波が遮られやすい場所では精度が低下する課題もありますが、近年は日本の準天頂衛星「みちびき」など複数の衛星測位システム(GNSS)を併用することで、誤差数センチメートル単位の超高精度測位も可能となっています。

物流におけるドライバー不足や働き方改革に伴う労働時間抑制や荷待ち時間削減に向け、GPSを活用した動態管理の重要性は極めて高くなっています。AI配車システムと連携した最適ルートの自動生成によるCO2排出量削減(グリーンロジスティクス)や、自動運転トラック、ドローン配送といった物流DX・自動化の推進において、GPSによる高度な位置測位技術は欠かせないインフラとなっています。

「H」の物流用語

HACCP

【読み方】はさっぷ

【英 語】Hazard Analysis and Critical Control Point

HACCP(ハサップ)とは、食品の製造・流通・保管などの全工程で発生し得る危害要因を分析し、特に重要な工程を継続的に監視・記録する国際的な衛生管理手法です。従来の抜取検査に比べ、高い安全性を確保できます。

HACCPは、微生物や異物混入などの危害を予測・分析する「HA(危害要因分析)」と、それを防ぐために不可欠な工程を管理する「CCP(重要管理点)」で構成されます。食品物流においては、冷凍・冷蔵などの温度管理(コールドチェーン)や、配送時の交差汚染防止がCCPに該当します。メリットは、汚染を未然に防ぎ製品の安全性を飛躍的に高めることで、企業の社会的信頼を担保できる点です。一方、管理基準の策定や、全工程の温度・衛生状態を常時記録し保管するための業務負荷やコストがデメリットとなるため、現場での運用の標準化が欠かせません。

物流業界では労働力不足や働き方改革への対応とグリーンロジスティクスの推進が急務です。これに対応するため、IoTセンサーを活用した自動温度記録システムやクラウド管理など、HACCP対応のデジタル化(DX)が加速しています。自動化によりドライバーや管理者の作業負荷を軽減しつつ、正確なデータ管理による食品(フード)ロスの削減にも貢献し、持続可能で高品質なコールドチェーンを支えています。

HHT

【読み方】えいちえいちてぃー

【英 語】Hand Held Terminal

HHT(ハンド・ヘルド・ターミナル)とは、片手で持ち運びができるデータ通信機能付きの携帯型端末(ハンディターミナル)のことです。バーコードなどをスキャンし、現場での入出荷や検品、棚卸し作業をリアルタイムで効率化・高精度化する役割を持ちます。

仕組みとしては、内蔵のスキャナーでバーコードやQRコードを読み取り、Wi-Fiやモバイル回線を介してWMS(倉庫管理システム)などの基幹システムとデータを同期します。導入のメリットは、手作業での転記ミスや確認漏れを防ぎ、作業の標準化と劇的なスピード向上を実現できる点です。一方のデメリットには、端末の導入・維持コストがかかることや、バッテリー劣化への対応、紛失時のセキュリティリスクなどが挙げられます。近年は頑丈な専用端末に加え、スマホ型端末の導入も増えています。

労働力不足への対抗策としてHHTは現場DXの中核に進化しています。Android OSの搭載による操作性向上、AIによる複数コードの超高速一括読み取り、音声認識を組み合わせたハンズフリー作業などが定着しました。また、完全ペーパーレス化によるグリーンロジスティクスの推進や、既存スマートフォンの業務端末化による資源保護など、環境負荷とコストの双方を削減するアプローチも求められています。

「I」の物流用語

IATA

【読み方】あいえーてぃーえー

【英 語】 International Air Transport Association

IATA(国際航空運送協会)とは、世界の民間航空会社で構成される業界団体です。1945年に設立され、安全で確実、かつ経済的な航空輸送の推進と、国際航空運送に関する標準ルールの策定や運賃精算業務などを担っています。

IATAは、世界中の航空会社やフォワーダー(貨物利用運送事業者)間の運賃決済を円滑化する仕組みを提供しています。特に航空貨物分野においては、運送状(エアウェイビル)の標準化や、世界基準である「危険物規則書(DGR)」の策定を行うなど、安全かつ効率的な航空物流のインフラを整備しています。メリットとして、世界共通のルールのもとで国境を越えたシームレスな貨物輸送が可能になる点が挙げられます。一方で、これらの厳格なルールや安全基準に準拠するためには、専門知識を持つ人材の育成や、各種資格の取得・維持に一定のコストと手間がかかる点が課題です。

航空物流はトラック輸送の制限に伴うモーダルシフトの受け皿や、DXの進展により激変しています。IATAは、データ共有の次世代標準「ONE Record」による航空貨物の完全デジタル化を強力に推進しています。また、将来的な温室効果ガス排出実質ゼロに向け、持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進や環境認証プログラムを主導するなど、グリーンロジスティクスを推進する役割としても重要性を高めています。

IE

【読み方】あいいー

【英 語】Industrial Engineering

IE(インダストリアル・エンジニアリング)とは、人、物、設備、情報を最適に組み合わせ、生産性や効率を最大化するための科学的な管理・改善技術です。製造業だけでなく、物流現場のオペレーション最適化においても極めて重要な役割を担っています。

IEは、勘や経験に頼るのではなく、データや数理的アプローチに基づいて業務の「ムダ・ムラ・ムリ」を排除します。具体的には、作業者の細かな動きを分析する「動作研究」や、荷物の流れを可視化する「工程分析」などの手法を用い、最適な作業手順や倉庫内レイアウトを設計します。メリットは、作業の標準化による品質の均一化、安全性の向上、そしてコスト削減を確実に実現できる点です。一方で、効果を最大化するには継続的なデータ測定と分析が必要であり、現場へ新しい運用を定着させるための教育や、変化に対する現場の心理的抵抗を解消するためのプロセスが不可欠という側面もあります。

物流におけるドライバー不足や働き方改革への対応が深刻化する中、IEはDXや自動化を成功させる基盤として再評価されています。AIやカメラ、センサーを用いた作業動線の自動計測、デジタルツインによる倉庫内レイアウトのシミュレーションなど、最新テクノロジーと融合した「デジタルIE」が台頭しています。また、作業効率化がそのまま稼働時間やエネルギー消費の削減につながるため、グリーンロジスティクスの推進にも貢献しています。

IoT

【読み方】あい・おー・てぃー

【英 語】internet of things

IoT(モノのインターネット)とは、あらゆるモノをインターネットに接続し、相互に情報伝達を行う技術です。物流においては、車両や貨物、倉庫設備、さらには作業員などの状況をリアルタイムでデータ化し、一元管理するための基盤技術として機能しています。

物流におけるIoTは、RFIDや各種センサー、GPSなどを通じて、貨物の位置情報や温湿度、在庫ステータスを自動で収集します。これにより、検品や棚卸の自動化による省力化、配送ルートの最適化による運行効率の向上、荷主への正確な追跡情報の提供が可能になります。また、ドライバーのバイタルデータを用いた労務管理や、車両の予兆保全による事故防止にも貢献します。一方で、初期導入コストやデータセキュリティへの対策、集まったビッグデータを分析・活用できる専門人材の確保が課題となります。

2024年問題を発端とする深刻な労働力不足や脱炭素化の要請に対し、IoTは解決の切り札となっています。倉庫内での自動搬送ロボット(AGV/AMR)との連携による省人化や、配送データを用いた他社との共同輸配送の最適化が加速しています。さらに、サプライチェーンを通じたCO2排出量のリアルタイム算定・可視化にもIoTが活用されており、法令遵守と持続可能なグリーンロジスティクスの双方を実現する中核インフラとなっています。

ISO

【読み方】いそ

【英 語】International Organization for Standardization

ISO(国際標準化機構)は、製品やサービスの国際的な標準規格を策定するスイスの非政府組織です。物流分野においては、輸送コンテナやパレットの寸法規格、品質・環境マネジメントシステムの国際基準を定めています。

ISO規格には、品質管理の「ISO 9001」や環境対策の「ISO 14001」、道路交通安全の「ISO 39001」などがあります。これらを導入するメリットは、業務プロセスの標準化により作業効率が向上し、国内外の取引先から高い社会的信用を得られる点にあります。また、国際標準規格に準拠したパレットやコンテナを使用することで、異なる事業者間でのシームレスな荷役や輸送が可能になります。一方で、規格の認証取得や定期的な維持審査(継続審査)には、時間とコスト、社内体制の整備といった負担が伴う点がデメリットです。物流企業にとっては、単なる認証にとどまらず、業務改善のフレームワークとして活用されています。

物流におけるドライバー不足や働き方改革への対応に伴う労働力不足やグリーンロジスティクスの推進において、ISOの重要性はさらに高まっています。特にCO2排出量可視化の基準となるISO 14064の活用や、共同輸配送を効率化する11型パレット(ISO規格準拠)の標準化は急務です。DXや自動化が進む中、データの互換性を担保するグローバル標準として、ISOは持続可能な物流網の構築に不可欠な存在となっています。

ISO14001

【読み方】いそ・いちまんよんせんいち

【英 語】International Organization for Standardization 14001

ISO14001とは、企業などの組織が環境に与える影響を継続的に改善するための仕組みを定めた、環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格です。計画、実行、点検、是正からなるPDCAサイクルを通じて、自主的な環境負荷低減を目指します。

本規格は、一律の数値目標を義務付けるものではなく、各組織が自らの状況に応じて主体的に環境方針や目標を設定し運用します。物流業においては、燃費向上やモーダルシフトの推進、梱包資材の削減などが具体的かつ効果的な活動に該当します。取得によるメリットは、エネルギーコストの削減や法令順守の徹底にとどまらず、グリーン調達を重視する荷主に対する営業上の強いアピールとなり、社会的信用を高められる点にあります。一方で、運用の形骸化を防ぐための事務負担や、定期的な審査コストが発生する点がデメリットです。

労働力不足への対応と同時に、脱炭素(GX)の実現が強く求められています。AIを活用した共同配送やルート最適化、EVトラックの導入といった物流DXは、環境負荷と業務負担を同時に減らす有効な手段です。また、荷主企業がサプライチェーン排出量(Scope 3)の開示を厳格化する中、ISO14001に基づく環境管理体制は、持続可能なパートナーとして選ばれ続けるための必須要件となっています。

ISO9000

【読み方】いそ・きゅうせん

【英 語】International Organization for Standardization 9000 Family

ISO9000とは、国際標準化機構(ISO)が策定した品質マネジメントシステム(QMS)に関する国際規格の総称です。製品やサービスそのものの品質ではなく、それらを提供する組織の管理体制や業務プロセスの標準化、および継続的な改善の仕組みを評価・認証します。

ISO9000ファミリーの中核をなす「ISO9001」が、企業が認証を取得するための具体的な要求事項を定めています。かつては製造・サービス等の業種別に「ISO9002」などが存在しましたが、現在はISO9001に一本化されており、物流企業もこれを取得します。導入により、輸配送や倉庫管理などの作業手順がマニュアル化され、属人化の防止やサービス品質の均一化、顧客信頼度の向上というメリットをもたらします。一方で、形骸化した文書作成が現場の負担になるデメリットもあり、実効性のあるPDCAサイクルを回すことが重要です。

労働力不足を背景としたドライバー不足や働き方改革への対応、DX、グリーンロジスティクスが急務となっています。これに伴い、ISO9000に基づく品質管理もデジタル化が進み、AIやIoTによるリアルタイムな作業データの分析をQMSに組み込む動きが主流です。標準化されたプロセスは、自動化設備の導入や環境負荷の低い輸配送ルートの構築を支える強固な基盤として、その重要性をさらに高めています。

ISPSコード

【読み方】あいえすぴーえすこーど

【英 語】ISPS Code

ISPSコード(国際船舶及び港湾施設保安コード)とは、テロ防止などを目的に国際航海船舶と港湾施設の保安基準を定めた国際規則です。2001年の米国同時多発テロを契機にSOLAS条約が改定され、2004年7月に発効されました。

本コードは、強制力を持つ「パートA」と勧告事項である「パートB」から構成されています。対象となる船舶や港湾施設は、個別に保安計画を策定し、政府の承認を得た上で保安職員の配置や厳格な出入管理を実施しなければなりません。これにより、グローバルなサプライチェーンにおけるテロや密輸のリスクを低減し、海上輸送の安全を確保できるメリットがあります。一方で、立ち入り制限や検査の強化に伴う手続きの煩雑化、および「ISPSチャージ」と呼ばれる保安料金が運賃に上乗せされることによるコスト負担がデメリットとして挙げられます。

物流業界においては、港湾DXや自動化の推進に伴い、ISPSコードが求める保安業務もデジタル化が加速しています。AIによる不審者検知や顔認証ゲート、ドローン巡回などの最先端技術が導入され、深刻な労働力不足に対応しつつ高度なセキュリティを維持しています。また、港湾システムのオンライン化に伴い、物理的警備だけでなくサイバーセキュリティ対策もISPSの枠組みにおいて重要性が極めて高まっています。

ITF code

【読み方】あいてぃーえふこーど

【英 語】Interleaved Two of Five

ITFコードとは、主に段ボールなどの外装パッケージに印刷される物流用のバーコード規格です。「インターリーブド2 of 5」の略であり、中箱や外箱といった梱包単位の商品識別(GTIN-14)に広く利用されています。

このコードは、バー(黒線)とスペース(白線)の双方に情報を交互に配置する仕組みにより、優れた情報密度を誇ります。太細2値の幅で表現されるため、段ボールのような粗悪な紙質でも印刷しやすく、高い読み取り精度を維持できるのが最大のメリットです。主にJANコードなどの個装情報を14桁の物流コード(GTIN-14)に変換して運用され、入出荷や検品業務を効率化します。一方で、斜めのスキャンなどにより一部の桁だけを誤って読み取る「部分読み(桁抜け)」が発生しやすいデメリットがあります。これを防ぐため、コードの周囲を「ベアラバー」と呼ばれる黒い太枠で囲む対策が一般的に施されています。

物流DXや自動化が進むマテハン機器やAGV(無人搬送車)による高速自動検品において、ITFコードは安定した読み取り精度で物流効率化を支えています。より多情報なGS1-128やRFIDの導入も進む一方、印刷コストが低く追加資材が不要なITFは、グリーンロジスティクスや、ドライバー不足や働き方改革への対応に伴うコスト抑制と労働力不足への対策として、依然として外装表示のグローバルデファクトスタンダードです。

ITS

【読み方】あいてぃーえす

【英 語】Intelligent Transport Systems

ITS(高度道路交通システム)とは、最先端の情報通信技術(ICT)を用いて人・道路・車両を一体化し、安全性、輸送効率、快適性の向上を図るシステムです。物流の効率化や環境負荷低減において、極めて重要なインフラとなっています。

このシステムは、ノンストップ自動料金収受を行う「ETC」や、リアルタイムの道路交通情報を提供する「VICS」のほか、車車間・路車間通信技術(V2X)を活用した自動運転・安全運転支援などで構成されています。物流事業者においては、GPSや車載デバイスを組み合わせることで、配車計画の自動化や運行データのリアルタイム一元管理が可能となります。メリットとして、配送の迅速化、燃料費の削減、交通事故防止が挙げられます。一方で、高額なシステム導入費用や、セキュリティ対策、道路インフラ側の整備遅れなどが課題とされています。

深刻化するドライバー不足や働き方改革への対応、そして脱炭素化の対応策として、ITSの重要性はさらに高まっています。高速道路における自動運転レベル4トラックの幹線輸送や後続車無人の隊列走行が実用化フェーズに入り、これを支える路車協調システムが整備されています。環境面でも、渋滞回避によるCO2削減やEVトラックの充電インフラ連携など、持続可能なグリーンロジスティクスに不可欠な基盤となっています。